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統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。
「コミュニケーションが取れなくなる」「治りにくい」といったイメージがありますが、早期に治療介入することができれば、日常生活に復帰するまで回復可能となるケースもあります(破瓜型などの予後不良のものもあります)。
統合失調症とは考えや行動・感情を1つの目的に沿ってまとめていく能力(統合能力)が長期間にわたって低下し、その経過中に幻覚や妄想、まとまりのない行動がみられる病気です。
統合失調症には陽性症状と陰性症状があります。
陽性症状とは、状態が悪化している時に出る強い症状のことです。
陰性症状とは、多くは陽性症状に遅れて現れる感情の平板化や意欲の減退、思考の低下などの症状です。
統合失調症はおよそ100人に1人くらいの人が発症すると言われており、稀な病気ではありません。
「特殊な病気」「危険な病気」「治らない病気」と誤解されることがありますが、今日では有効な薬も存在し、治療を最適に受けた方の半数以上は、社会生活を問題なく営むことができるまで回復することができると言われています。
統合失調症の治療は薬物療法と心理社会的な治療(リハビリテーションや精神療法)を組み合わせて行っていきます。
統合失調症に用いられる薬剤は「抗精神病薬」と呼ばれます。
抗精神病薬の作用は大きく分けて、幻覚や妄想などの陽性症状を改善する抗精神病作用、興奮や不安焦燥などの症状を改善する鎮静作用、感情鈍麻や意欲の低下などの陰性症状を改善する精神賦活作用の3種類です。
統合失調症は再発しやすい特徴があり、自己判断で服薬を中止せずに主治医と相談することが大切です。
まずは一度、お気軽に診療にお越しください。