汗が止まらないのは多汗症?
ストレスが原因?
「汗が止まらない」状態は、多汗症の症状の1つである可能性があります。原因としては、自律神経の乱れ、ストレス、運動不足、更年期障害などが考えられます。特に自律神経のバランスが崩れると、交感神経が過剰に刺激され、通常では汗をかかない状況でも発汗が止まらなくなることがあります。また、更年期の女性ホルモンの変化も関係しています。生活習慣の改善や適度な運動、ストレス管理が重要です。
脇汗が止まらないのは病気?
脇汗が止まらない主な原因は多汗症の可能性があります。多汗症は交感神経が興奮状態にあることで引き起こされ、体温調節機能の乱れにより、季節に関係なく大量の発汗が生じます。また、ストレスや不安などの精神的要因も関係しています。日常生活に支障をきたすほどの発汗がある場合は、医療機関での相談が推奨されます。
手汗が止まらないのは病気?
手汗が止まらない主な原因は、緊張やストレス、不安などの精神的要因です。これらにより交感神経が過度に敏感になり、汗腺の働きが活発化します。また、ホルモンバランスの乱れや遺伝的要因も関係しています。さらに、生活習慣の乱れ、特に辛い食べ物の過剰摂取や喫煙、カフェインの過剰摂取なども手汗の原因となる可能性があります。
汗が止まらない原因
自律神経の乱れ
自律神経のバランスが崩れ、交感神経が過剰に働くことで、通常では汗をかかない状況でも発汗が止まらなくなることがあります。ストレスや緊張、睡眠不足などが自律神経の乱れを引き起こし、多汗症の症状に繋がる可能性があります。
ホルモンバランスの変化
女性の場合、更年期に伴うエストロゲンの減少が自律神経の乱れを引き起こし、異常な発汗の原因となることがあります。また、甲状腺機能亢進症や糖尿病などの内分泌・代謝性疾患も全身性の多汗症を引き起こす可能性があります。
精神的要因
不安や緊張、ストレスなどの精神的要因が局所性多汗症の主な原因となることがあります。特に手掌や足底、腋窩などの部位で精神性発汗が起こりやすく、社会的活動や対人関係に支障をきたす場合もあります。
薬の副作用
一部の薬剤が副作用として多汗を引き起こすことがあります。非ステロイド抗炎症薬、ステロイド薬、向精神薬、睡眠導入薬などが該当し、これらの薬を服用している場合は医師に相談することが重要です。
汗が止まらなくなる病気
うつ病
うつ病の方には、自律神経のバランスが崩れることで多汗症状があらわれることがあります。気分の落ち込みや意欲の低下といった主症状に加えて、動悸、発汗、体温調整の異常などの自律神経症状がよく見られます。これらの症状は、うつ病の診断基準には含まれていませんが、多くの患者さんで観察されます。
パニック障害
パニック障害は、突然の激しい不安や恐怖を特徴とする疾患です。その症状の多くは自律神経症状であり、動悸、発汗、息苦しさ、窒息感、嘔気、寒気または熱感などが含まれます。パニック障害は「自律神経症状の塊」と言えるほど、多様な自律神経症状を引き起こします。
社交不安障害
社交不安障害は、人前に出たり注目を浴びたりする場面で強い不安や恐怖を感じる障害です。診断基準には含まれていませんが、そのような場面で顔が赤くなる、動悸がする、体が震える、多量に発汗するなどの自律神経症状があらわれることがあります。
強迫性障害
強迫性障害では、不合理な考えや行動に囚われ、強い不安や緊張状態に陥ることがあります。この持続的なストレス状態が自律神経系のバランスを崩し、多汗症状を引き起こす可能性があります。特に、清潔に関する強迫観念がある場合、発汗への過度の注目が症状を悪化させることもあります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンの過剰分泌により、代謝が亢進し、体温調節機能が乱れます。その結果、多量の発汗や寝汗、体重減少、動悸、手の震えなどの症状が現れます。特に首や上半身に多量の汗をかく場合は、甲状腺機能亢進症の可能性があります。甲状腺機能亢進症が疑われる場合、専門的な治療が必要ですので、連携する医療機関をご紹介させていただきます。
糖尿病
高血糖状態が続くと、末梢神経や自律神経にダメージを与え、発汗異常を引き起こす可能性があります。多汗症状や無汗症状があらわれることがあり、汗に甘酸っぱい臭いやべたつきを感じることもあります。また、口渇による水分摂取量の増加も汗の量を増やす要因となります。糖尿病が疑われる場合、専門的な治療が必要ですので、連携する医療機関をご紹介させていただきます。
更年期障害
更年期障害では、エストロゲンの分泌低下により自律神経のバランスが乱れ、汗腺のコントロールが上手くできなくなります。特に上半身を中心に多量の発汗が見られ、寝汗も顕著になります。また、更年期特有のイライラや不安も交感神経を優位にし、発汗を促進させる要因となります。なお、当クリニックでは、更年期障害による精神症状の治療のみ対応しています。
パーキンソン病
神経系の障害により、自律神経機能に影響を与え、多汗症を引き起こすことがあります。パーキンソン病では、特に全身性の多汗症が見られることがあり、これは疾患の進行や薬物治療の影響によるものと考えられています。
褐色細胞腫
副腎髄質や交感神経節に発生する腫瘍で、カテコールアミンを過剰に分泌します。これにより、発作性の高血圧、頭痛、動悸、多量の発汗などの症状が現れます。特に突然の発汗や顔面紅潮を伴う場合は、褐色細胞腫の可能性を考慮する必要があります。
汗が止まらないときの対処法
生活習慣の改善
食生活を見直し、辛味や酸味の強い食べ物、カフェインの摂取を控えましょう。また、適度な運動を心がけ、1日30分程度の有酸素運動を取り入れることで汗腺機能を鍛えられます。さらに、ストレス解消のためにリラックスタイムを作り、心身をリフレッシュすることが大切です。
制汗剤の使用
医薬部外品の制汗剤を使用することで、一時的に汗をケアできます。クロルヒドロキシアルミニウム配合の制汗剤は高い効果が期待できます。手のひらには密着力の高いクリームタイプやジェルタイプがおすすめです。また、ベビーパウダーを使用して水分を吸収し、サラサラな状態を保つこともできます。
医療機関での治療
症状が重い場合は、医療機関での治療を検討しましょう。外用薬や内服薬による治療、ボトックス注射、イオントフォレーシス療法などの選択肢があります。特に、アポハイドローションは手掌多汗症の治療薬として開発された外用薬で、保険適用となっています。