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「体内時計」が夜勤で乱れる?

働き方  / 睡眠

夜勤が多いと「体内時計」が乱れる?

夜勤や交代制勤務が多いと、通常の昼夜リズムとは逆のサイクルで仕事をすることになり、睡眠障害が起こりやすくなります。体が本来もっている「体内時計」が乱れ、夜勤明けに寝つけない、勤務中に強い眠気を感じるなどの問題が生じることがあります。このコラムでは、夜勤に伴う睡眠障害(シフトワーカー症候群、交代勤務睡眠障害)の概要や、メラトニン補充療法などの治療、日常でできるセルフケアについてわかりやすく解説します。


シフトワーカー症候群(交代勤務睡眠障害)とは

シフトワーカー症候群や交代勤務睡眠障害とは、夜勤や不規則なシフトによって生活リズムが大きく崩れることで生じる睡眠障害です。夜働き、昼に眠る生活リズムが続くと体内時計がずれてしまい、本来眠るべきタイミングで目が冴える、逆に起きているべきタイミングで強い眠気に襲われるなどの不都合が起こります。
具体的には、夜勤から朝に帰宅して「寝よう」と思ってもなかなか眠れない、途中で何度も目が覚めてしまう、逆に夜勤中は眠気や集中力の低下がひどくなるなどの症状が典型的です。さらに、慢性的な睡眠不足は体と心の健康に影響を与え、日中の活動や仕事に支障をきたす恐れがあります。


メラトニン補充療法とは

メラトニンは脳の松果体という部分から分泌される「睡眠ホルモン」で、夜になると分泌量が増えて自然な眠気をもたらします。しかし、夜勤で夜間も明るい光を浴びると、このメラトニンの分泌リズムが乱れてしまいます。
そこで、不足しがちなメラトニンを外部から補うのが「メラトニン補充療法」です。たとえば夜勤明けで昼間に眠りたい場合、寝る30分~1時間ほど前にメラトニンを摂取することで、「今は夜だ」と体に信号を送り、寝つきを促す効果が期待できます。メラトニンは比較的安全性が高いとされていますが、人によっては日中の眠気が残る場合もあるため、医師に相談して適切な服用法を確認することが大切です。


その他の治療法

光療法

「高照度光」を使って体内時計をリセットし、メリハリのある睡眠・覚醒リズムをつくる治療法です。夜勤に入る前や勤務中に明るい光を浴びることで体を覚醒させ、夜勤明けに帰宅するときはサングラスをかけ、部屋を暗くして眠りやすい環境を作ります。

認知行動療法(CBT)

不眠の原因になっている考え方や生活習慣を見直し、睡眠環境を整える療法です。寝る前にスマホを長時間見るなどの悪習慣を改善したり、睡眠への不安や焦りをコントロールする方法を身につけることで、より良い睡眠を実現しやすくなります。

認知行動療法

勤務スケジュールの調整

交代勤務が避けられない場合でも、できるだけ勤務シフトを一定のサイクルで回す、夜勤の連勤を増やしすぎない、休憩時間や仮眠の機会を確保するなど、職場全体で協力して睡眠負債をためすぎない工夫が大切です。


日常でできるセルフケア

夜勤のある生活でも、次のようなセルフケアを取り入れるだけで睡眠障害のリスクを減らすことができます。

遮光と防音

日中に寝るときは、遮光カーテン・アイマスクなどで部屋を暗くし、耳栓を使うなど静かな環境を確保しましょう。

寝る前のリラックス

寝る直前は強い光やスマホの画面を避け、ぬるめの入浴やストレッチなどで体と心を落ち着かせてから布団に入ります。

カフェインの調整

夜勤中は眠気防止のためにカフェインを摂取することもあるかもしれませんが、勤務後すぐに寝たい日はコーヒーを控えるなど、タイミングを意識することが大切です。

短い仮眠を活用

夜勤中の休憩時間に20~30分程度の仮眠をとると、眠気や集中力の低下をかなり抑えることができます。仮眠後は少し身体を動かして目を覚ましましょう。

適度な運動

適度な運動は良質な睡眠につながります。勤務後や休日などにウォーキングやストレッチを続けるだけでも、体のリズムを整える助けになります。

規則的な生活リズム

夜勤があっても、できるだけ毎日同じ時刻に起床・就寝できるように心がけます。休日だからといって大幅に昼夜逆転しすぎないようにすると、体内時計への負担が軽減します。


まとめ

夜勤や交代制勤務のある仕事は、どうしても体内リズムを乱しやすく、睡眠障害を引き起こす要因になります。眠れないまま仕事を続けると、集中力や作業効率が低下し、さらに心身の健康にも悪影響が及ぶ可能性があります。
そのため、メラトニン補充療法や光療法、認知行動療法といった専門的治療を検討することはもちろん、日常でできるセルフケアを組み合わせながら上手に体内時計を調整していくことが大切です。どうしても改善が難しい、眠気や不眠が続いてつらいという場合は、早めに睡眠外来や専門医に相談し、適切な治療やアドバイスを受けるようにしましょう。


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