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マインドフルネス(Mindfulness)とは、「今この瞬間」に意識を集中して、自分の内面に生じている感情・思考・身体感覚、あるいは周囲で起こっている出来事を、評価や判断を加えずに“あるがまま”に観察する心の在り方や練習方法を指します。よく「瞑想」と混同されがちですが、瞑想の一手法としてマインドフルネス瞑想がある、というイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
過去や未来ではなく、ここ・いまの体験に注意を向ける。たとえば呼吸を意識する時は「息を吸う・吐く」という感覚に集中する。
「これは良い」「これは悪い」と価値判断をせずに、ありのままに観察する。「あ、私はいま『気が散ったな』と感じた」「いま呼吸が浅いな」と、ただ気づくことが大切。
不安、苛立ち、悲しみなどの“嫌な感情”も、否定せずにそのまま認めて受け止める姿勢を取る。「嫌な感情があるな」と気づいたら、それを押し込めたり批判したりせず、「そう感じている自分がいる」と受け容れる。
感情に強く飲み込まれてしまう前に、「あ、いま私は怒りを感じ始めている」と客観的に気づくことができれば、早めの対処がしやすくなります。
ネガティブな思考にとらわれているとき、一度“今ここ”に集中し、自分がどんな思考をしているかを冷静に観察することで、思考のループを弱めることができます。
日常の雑念やストレスから一時的に距離を置く練習になり、リラクゼーション効果も得られます。
自分の身体や心の動きを細やかに観察することで、「どんな状況だと感情が乱れやすいか」などのパターンを見つけやすくなります。
姿勢を正し、楽な呼吸に意識を向けます。「吸う」時の空気の入り方、「吐く」時の胸やお腹の動きをできるだけ細かく味わいます。考え事が浮かんできても「いま考え事が浮かんでいるな」と気づいたら、また呼吸に意識を戻す練習を繰り返します。
体の部位ごとに意識を向け、緊張や痛み、温かさや重さなどを観察します。足先から頭の先まで順番に注意を向けることで、自律神経の安定や身体への気づきが高まります。
食事、歯磨き、入浴などの“いつも無意識で行っている動作”の間に、意識して五感をフルに働かせます。「食事中に一口一口の味や香り、食感を丁寧に味わう」「シャワーを浴びながら、水の温度や肌触りを感じる」など。
ゆっくり歩きながら、足裏が床に触れる感覚や重心移動、周囲の音などに意識を向けます。一歩一歩を味わうように歩くことで、頭の中が散漫になりにくくなります。
呼吸に集中していても、考え事や別の感情がわいてくるのは自然なこと。雑念に気づいたら「今、私の頭に〇〇という考えが浮かんだな」とラベルをつけて、呼吸に意識を戻す。その繰り返しが練習になります。
最初は1分でも3分でもよいので、なるべく習慣にしてみましょう。1回に長い時間をやろうとすると挫折しやすいため、短時間でもよいので少しずつ続けることが大切です。
専門家の指導が得られる音声ガイドやアプリを使うと、初心者でも取り組みやすくなります。わかりやすい日本語の音声やスマホアプリも増えてきているので、好みに合ったものを探してみてください。
「うまく集中できない」「すぐに気が散ってしまう」と感じても、それを責めず、「そういう自分もいるな」と受け止めます。マインドフルネスは成果を急ぐものではなく、「今に意識を戻す」練習を続ける中で、少しずつ気づきや心の安定感が育まれていきます。
マインドフルネスは「今この瞬間」に注意を向け、判断を加えずに受容する心のあり方や練習方法です。感情のコントロールが難しい時やストレスが強い時に、余計な思考の渦から離れて「一歩引いて客観的に見る」ための重要なトレーニングとなります。実践は短時間でもコツコツ続けることが大切で、「雑念や感情が湧くのは当たり前。気づいて戻すのが練習」という姿勢で取り組むと良いでしょう。
マインドフルネスを習慣化できれば、感情的な嵐が起きても「飲み込まれずにやり過ごす余裕」が生まれやすくなります。他のセルフケア戦略とも組み合わせながら、ぜひ日常の中で取り入れてみてください。